自然と音楽に囲まれ
健やかに暮らす
上富良野町・Kさん宅 家族構成/夫50代・妻40代、母
大学で声楽を学んだKさんは、本格的な音楽室を備えたマイホームを持つことが長年の願いでした。建設地は「転勤で3年間住んで、雄大な自然と温かな人のつながりに魅了された」という上富良野町。その夢をかなえるため、3年前から、知人のつてをたどって土地探しをしていました。
「2年ほどかかりましたが、真正面に大好きな十勝岳を望む土地を購入できました。新築は、音楽室の施工経験があり、波長の合うアクト建築工房さんにお願いしました」。呼吸器系が弱いKさんは、調湿性のある漆喰や自然木をふんだんに使い、健康的な住環境を実現することも希望していました。
2014年の夏に完成した住まいは、ワンフロアに居住空間をレイアウトしたバリアフリー仕様。「天井は可能な限り高く」というKさんの希望で、音楽室は屋根なりに3.5メートルの高さを確保したため、LDKの上には予備室、書斎として使えるロフトも設けることができました。ロフトやリビングから、晴れた日には十勝岳の勇壮な姿がたっぷりと望めます。「冬の夕暮れは格別の美しさです。また、眺望を確保するために大きく採った窓からは、外光がたっぷりと入り、冬も暖かく心地いいんですよ」と、Kさんは笑顔で話してくれました。
まだ少し先の定年後、Kさんは奥さんと山歩きを日課に、また地域の愛好家、友人と演奏活動を楽しむ予定とか。「これからの趣味的な暮らしの拠点にふさわしい住まいを実現できて、心から満足しています」。
■建築データ
構造規模/木造(新在来工法)・2階建て
延床面積/178.80㎡(約53坪)(カーポート含まず)
<主な外部仕上げ> 屋根/長尺カラートタン、外壁/道南スギ板張、建具/玄関ドア:木製断熱ドア、窓:樹脂サッシ(Low-E・アルゴンガス入)
<主な内部仕上げ> 床/ナラフローリング、壁・天井/漆喰塗
<断熱仕様 充填断熱+付加断熱> 基礎/ポリスチレンフォーム(B3)100㎜、壁/グラスウールサン16kg100㎜+グラスウールボード32kg45㎜、天井/ブローイング300㎜
<暖房方式> パネルヒーター・床暖房
■工事期間
平成25年12月〜平成26年6月(約7ヵ月)
Replan北海道vol.110掲載