
対面式キッチンと近接する小上がりの畳コーナー。テーブルは、Sさんの勤務先の製品を採用した
シンプルに徹したデザインと造作が素材感を引き立てる北欧テイストの住まい
旭川市・Sさん宅 家族構成/本人40代、長女20代

対面式キッチンの腰壁にはナラ材を用いた造作収納を設置し、壁には鍵などをかけられるよう有孔ボードを張った

小上がりとキッチンは、スキップ階段で直接つながっている

ナラ材を用いたキッチン背面収納は、Sさんが使い勝手を考えた造作仕様。収納力とスッキリとしたデザインにこだわった
そう語るSさんは、プランづくりの際にビルトインガレージを備えた住まいを希望。また、母娘がそれぞれ自分の時間を楽しめるように、2階に暮らしの中心となるLDKや水まわり、その上下階に母娘のプライベート空間を配置したいと考えていました。澤田さんは、互いの姿が見えなくても気配が感じられるよう、室内空間を上下に貫く吹き抜け階段を設けたプランを提案。「照明計画や内装仕上げに使う素材や色など、細かいところまで調整してくれたので信頼度がまたぐっと増しました」と、Sさんはプラン時を振り返って話します。

こもり感のあるロフトは娘さんのプライベート空間。階段や腰壁を設けた吹き抜けから階下の気配も伝わってくる

階段とリビングの吹き抜けが3層で構成された空間をつなぐ。シンプルに整えられた空間に無垢材の質感が心地よく調和する
2024年10月、Sさん母娘が完成を待ちわびていた新居が完成。2階へ足を踏み入れると、窓越しに周囲の木々や空が広がります。「古い住宅街ならではのゆったりとした景色が楽しめる住まいにしたいという願いも叶いました」と、Sさんは笑顔で話します。

階段の踏み板は、施主支給のサクラ材をパーツで運び込み、現場で大工さんが組み立てた。スケルトンで仕上げることで、木材の存在感が際立っている

1階のトイレには手洗いを造作。タイルの色やデザインは、母娘で相談して選んだ。「そうした細かいものを選ぶのも、振り返ると楽しかったです」とSさん

澤田さんの提案でスペースを広く取った玄関ホール。床には施主支給のウォールナット無垢材を張った。手前のドアは、右がSさんの個室で左がトイレ
白を基調に整えられた室内には、タモ無垢材を用いた床と造作間接照明をはじめ、多様な樹種を用いた造作を採用。さまざまな木が醸し出す温かみが、シンプルな空間に優しい空気をまとわせています。また、住まいの中心を上下に貫くように設えた吹き抜け階段は、1階からロフトまで声がよく届き「いつも家族のつながりを感じられる家ができた」と、娘さんがとても喜んだといいます。

ブルーの濃淡と白でまとめ、三角屋根を採用した北欧住宅のような外観。ビルトインガレージのほか、建物と一体型の造作カーポートも設けた
「賃貸の旧居では結露に悩まされていた」というSさん。優れた住宅性能に24時間換気を採用した新居は「自然な空気感で結露や温度差もなく快適です。この家に帰るのが毎日の楽しみになりました」と、大満足の様子で話してくれました。
建築データ
構造規模/木造(新在来工法)・2階建て
延床面積/144.40㎡(約44坪)(ガレージ・ロフト含む)
<主な外部仕上げ> 屋根/アスファルトシングル、外壁/サイディング、建具/玄関ドア:木製ドア、窓:樹脂サッシ(トリプルガラス)
<主な内部仕上げ> 床/ナラフローリング、壁・天井/水性ペイント
<断熱仕様 充填断熱+付加断熱> 基礎/EPF100㎜(B3)、壁/高性能グラスウール16㎏100㎜+EPF50㎜(B3)、天井/ブローイング400㎜
<暖房方式> セントラルヒーティング(パネルヒーター)
<冷房方式> エアコン
工事期間
令和6年3月~10月(約7ヵ月)
Replan北海道vol.148掲載