ダイニングテーブルの向こう側には十勝岳連峰の尾根が広がる大パノラマ
Vol.03
恵まれた眺望を楽しみ 暮らしの豊かさも叶えた農家住宅
中富良野町・Kさん宅 家族構成/夫婦40代、子ども3人
自然とリビングに家族が集まり、談笑する機会も増えた
土地の取得から数年、何社もとプランの相談を重ねましたが、和室・カーポートのほか、玄関は作業用と分けて2つ、また家事に関わる動線など、ベースとして外せないものを配置するだけでも、なかなか納得する間取りには辿り着かず苦労していました。
色で意見が割れた和室はブルーグレーに。ウォールナットの間接照明も職人によるもの
キッチンから少し奥に入ると、事務作業スペース。作業の合間の眺めも抜群
ある日、家電修理に訪れた人と家づくりの話題になり、そこでアクト建築工房さんの名前が上がりました。さっそくオープンハウスを見に行き、すぐに心が決まったそうです。既製品に頼らない丁寧な施工、生活することがしっかりと意識されている家事動線、「ほかの会社にはお願いできなかったことを頼めるかもしれない」という期待どおり、提案されたプランは希望がそのまま形になったものでした。
古い耐火煉瓦と職人オリジナル収納の新旧融和キッチン。エアコンの位置も熟考された
階段の壁にはニッチを。階段下はチワワのカカオちゃんのためのスペース
2階の読書スペース。窓からは芦別岳が見える。トリプルガラス仕様で冬も暖かい
シューズクロークから見る作業用の農家玄関。農作業を終えた後の一連の動作がここで完了する
ご夫妻のリクエストのすべてを叶えた新居には、玄関やキッチンにご夫妻が所有していた古い耐火煉瓦、リビング天井に取得した土地にあった納屋の古いタモ材を使用するなど、さまざまな素材が絶妙のバランスで配されています。とりわけ、リビングの窓からの眺めは遮るものが一切なく、キッチン側に目をやると十勝岳連峰の尾根が、和室の方へ振り返ると芦別岳を望む絶景が広がります。
特徴のある片流れの屋根は、鋭角になりすぎないように計算されている。外壁は道南スギのみを使った板張りにし、農作業から帰宅用の農家玄関も備えた
生活時間や日々の作業は変わりませんが、家事や仕事に関するバックヤードの充実は心の余裕をもたらしたそうです。リビングからぐるりと見渡せる山々を見ながらの朝ご飯や小休憩に、これまでの生活よりもずっと豊かに過ごせていると感じるご夫妻でした。
2ブロック先からでもその姿は一目瞭然。ランドマークのような存在感を放つ外観
建築データ
構造規模/木造(新在来工法)・2階建て
延床面積/187.50㎡(約56坪)
<主な外部仕上げ> 屋根/アスファルトシングル、外壁/道南スギ板張、建具/玄関ドア:木製ドア、窓:木製サッシ(トリプルガラス)
<主な内部仕上げ> 床/ナラフローリング、壁/珪藻土・水性ペイント、天井/水性ペイント
<断熱仕様 充填断熱+付加断熱> 基礎/ポリスチレンフォーム(B3)100㎜、壁/グラスウール(サン)20kg100㎜+ポリスチレンフォーム(B3)100㎜、屋根/ブローイング500㎜
<暖房方式> セントラルヒーティング
工事期間
平成30年9月〜平成31年3月(約7ヵ月)
Replan北海道vol.126掲載