Vol. 16

暮らしやすさと美しさを
追求した2人住まいの家

旭川市Sさん宅  家族構成/夫婦40代

オープンな造りのリビング・ダイニングは、天井の高さを変えることでゆるやかに分離

 旭川の住宅街の一角に建つ築35年の実家に長く住み続けていたSさん。子どもの頃から親しんできた建物でしたが、年々老朽化が進み、冬の寒さと夏の暑さに悩まされていました。「結婚を機に将来も安心して住み続けられるように新築したいと、旧知の間柄だったアクト建築工房の澤田さんに相談しました」。
 そこで問題になったのが、玄関前にしつらえてあった鉄骨造りの大きなカーポートでした。「最初は壊して更地にと考えていました。でも、澤田さんは既存の基礎とカーポートを生かした建て替えを提案。とても親身になって、予算を最大限に生かせるプランを考えてくれたのが、嬉しかったです。安心してお任せできました」。
 2016年11月、モダンな佇まいの新居が完成。35年を経た建物は、日々の暮らしを考えた機能的な間取りの住まいに生まれ変わりました。既存の風呂場は、LDKに隣接した洗濯室につくり替え、回遊動線を採用。仕事を持つ奥さんが、限られた時間で家事を効率よくできるよう工夫されています。「生活動線に合わせ、2人暮らしには十分過ぎるボリュームの収納もつくられているので、探し物が少なくなりました」と、奥さん。
 引っ越して最初の冬、家中が暖かいことにご夫妻は驚いたそう。「灯油セントラル暖房を採用しましたが、前の家と灯油代は同じくらい。以前は、冬は1階のみで生活していましたから、実質、光熱費は半分に。思い切って、建て替えをして正解でした」と笑顔で話してくれました。

ダイニングの照明と家具は、アクト建築工房がコーディネート。素材感あふれる空間に北欧デザインが映える

キッチンには収納力に優れた背面収納のほか、外気を取り入れて冷涼な環境を保つ食品庫も設置

対面式キッチンは、大理石タイルやライムストーン、タモ材を用いた造作仕様。正面の開口は勝手口を兼ねる

「素材選びやデザインはさすがプロ」と、ご夫妻大絶賛の造作洗面台。キッチンと揃えた素材使いがポイント

2階階段ホールには、カウンターデスクと書棚を造作した書斎コーナーがある

床は、オリジナル調合のリボスで仕上げたナラ無垢。リビングは間仕切りなしで、玄関につながっている

テラコッタ敷きの玄関には、靴のまま出入りできるシューズクローゼットが設けられている。奥は、階段下を利用したボイラー室

白とこげ茶で統一したシンプルな外観。既存のカーポートも、新居の外観デザインに合わせて、化粧直しをして一体感を持たせた

■建築データ

構造規模/木造(新在来工法)・2階建て
延床面積/116.45㎡(約35坪)
<主な外部仕上げ> 屋根/長尺カラー鋼板、外壁/ガルバリウム鋼板 一部道南スギ板、建具/玄関ドア:木製断熱ドア、窓:樹脂サッシ(Low-E・アルゴンガス入)
<主な内部仕上げ> 床/ナラ無垢フローリング、壁・天井/ビニールクロス
<断熱仕様 充填断熱+付加断熱> 基礎/ポリスチレンフォーム(B3)100㎜、壁/グラスウール(サン)16㎏100㎜+グラスウールボード32㎏45㎜、天井/ブローイング300㎜
<暖房方式> パネルヒーター

■工事期間

平成28年5月〜11月(約7ヵ月)

Replan北海道vol.117掲載

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