Vol. 2

おうちカフェでゆったりくつろぐ、上質の時間
「扉の奥に隠す」をセットで考え、フルオープンキッチンが見事成功

旭川市Nさん宅  家族構成/夫婦30代、子ども2人

「大人のカフェ」を目指し、余計なものが目に入らないすっきりとした空間を意図。視覚的にストレスフリーであることも重視した

 ともすれば、フルオープンキッチンは「スタイリッシュでステキだけど、生活感が出そう」と、敬遠される方もいるようです。その点Nさんは「うちのスタイルはこれ」と、ブレることなく信念を貫き、視界が開ける広々とした空間を手に入れました。その成功のポイントは、パントリーを設けキッチン単独ではなくセットで考えたことにあり、シンクの前に立つと背面部が引き戸のパントリーという位置関係に。冷蔵庫や見せたくない調理器具などはパントリー内に入れ、通常は扉を閉めておき、料理を始めるとオープンにし、後ろを振り返って必要なものを手にできるようにしています。
 Nさんが広い空間にこだわった理由に来客の多さがあり、多い時は親戚一同が集まり合計20人ぐらいになることも。ゆったりリラックスして楽しめる場を提供できるのも、家をつくる上で重要なポイントでした。
 アクト建築工房との出会いは、よくコーヒーを飲みにいっていたお気に入りのカフェを同社が手がけていたこと。「わが家もカフェみたいに」という希望を叶えてくれると直感。打ち合わせを重ねていくことで、「間違いなく、カッコいい家ができる」と、直感は確信に変わっていったそうです。
 ナラフローリングと珪藻土を組み合わせた、ナチュラル感あふれるLDKは、吹き抜けが開放感を演出。「ここでお茶すると、ついつい長居しちゃうわね(笑)」というお友達の声が、居心地の良さを証明しています。快適な空間を実現するための造作収納も随所に設けられ、毎日おうちカフェでくつろぎの時間を楽しんでいるそうです。

オフホワイトのモルタル塗り壁に一部米スギ板を張った落ち着いた外観は、木製サッシでワンランク上の雰囲気に。家の前が公道のため屋根の雪対策にも配慮

奥さんの夢でもあったフルオープンキッチン。こげ茶色の壁のタイルが広い空間を引き締め、メリハリを出している

2階から吹き抜けを見下ろす。木と珪藻土の風合いに心安らぐ

各個室へつながる2階の廊下。吹き抜けが見渡せる

LDKの印象を左右することから、全体に溶け込むようデザインされたリズミカルな階段

友人や親戚が集まっても余裕の空間。折りたたみ式の大きなテーブルを入れる隙間収納など、工夫があってこその、この広さ

■建築データ

構造規模/木造(新在来工法)・2階建て
延床面積/185.75㎡(約56坪)
<主な外部仕上げ> 屋根/長尺カラートタン 一部アスファルトシングル、外壁/モルタル塗壁 一部米スギ板張、建具/玄関ドア:木製ドア、窓:木製サッシ(Low-E・トリプルガラス)
<主な内部仕上げ> 床/ナラフローリング、壁・天井/珪藻土塗壁・水性ペイント
<断熱仕様 充填断熱+付加断熱> 基礎/ポリスチレンフォーム(B3)100㎜、壁/グラスウールサン16kg100㎜+グラスウールボード32kg45㎜、天井/ブローイング300㎜
<暖房方式> 電気蓄熱暖房器

■工事期間

平成24年5月〜9月(約5ヵ月)

Replan北海道vol.100掲載

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