Vol. 31

仕事も暮らしも快適に
牧草地に建つ畜産農家の住まい

士別市Aさん宅  家族構成/夫婦30代、子ども3人

ダイニングテーブルは5人家族でも余裕たっぷり。家族の様子が見える快適なキッチンに、3姉妹が手伝いに立つ日もそう遠くはなさそう

 畜産業を営むAさんご家族の住まいが建つのは、遮るものが一切ない雄大な牧草地の一角。仔牛の哺乳や分娩の立ち合いなど、日々命と向き合い続けています。
 両親と同居をしていたAさんご夫妻は、3人の子どもの成長に合わせて新築を検討しはじめました。所有していた牧草地の一部を宅地に転用して土地を確保し、家づくりの参考にしていたリプランの中から、気になる会社をいくつかピックアップ。その中の1社がアクト建築工房でした。「私たちが見に行ったのは、同じく農業を営むお宅のオープンハウスで、土地の魅力を生かした自然を感じる家づくりに感激しました。家に求めることが似ていたので、イメージもしやすかったです」。そして、アクト建築工房に好印象を抱いたAさんの気持ちをさらに後押ししてくれたのが同社のWEBサイト。「仕事上、家を空けることが難しい私たちにとって、情報収集はインターネットが頼り。アクト建築工房は工事の進捗状況をとても楽しそうに更新していて、代表の澤田さんの仕事ぶりが読み取れたような気がしました」とAさんは話します。
 24時間365日気の抜けない仕事だからこそ、家族で過ごす時間を大切にしたいと願ったAさんご家族の新居は、石や木の本物の質感を大切にした住まい。リビングの大開口から望む牧草地のパノラマはこの土地でしか味わえない圧巻の景色です。
 広い土間玄関や、汚れた作業着のまま出入りできる勝手口は、仕事上マストな空間。「家に入ってすぐに手洗いをしたり、作業着を洗濯機に入れたりと、帰宅後の一連の作業をリビングを通らずに終えられるので本当に便利です。仕事用と来客用の動線が分けられているのも嬉しいです」と、働きやすさと暮らしやすさの両立にAさんは大満足です。
 三姉妹のにぎやかな声とともに、大自然の中で過ごす豊かな時間は、明日への活力。「雄大な景色とともにLDKでくつろぐ家族の時間が何よりの幸せ。無垢材をはじめとした自然素材も、実際に暮らしてみると肌触りや空気が違い、上質さを日々実感しています。夏になったらウッドデッキも活用して、めいっぱい楽しみたいです」と、これからの暮らしに期待を膨らませるAさんでした。

キッチン近くに設けた奥さんのスペース。「ご飯支度をしながら作業ができる位置関係が嬉しいです」と奥さん。ランダムに配置したカラーボックスや壁のマグネットボードなど、「おしゃれで使い勝手もいい」と大満足

足触りが心地よい無垢フローリング、吹き抜けから注ぐやわらかな光、大開口から望む牧草地。土地のポテンシャルを最大限に引き出した家づくりが、Aさんご一家に豊かな家族団らんのひとときをもたらす

吹き抜けからリビングを見下ろす。仕切ることができる小上がりの和室は、客間としてはもちろん、ゴロンと寝転がったり、ベンチ代わりに腰を下ろしたりと大活躍。小上がりの下は収納になっている

窓の向こうに広がる絶景を眺めながら一人静かに過ごす時間もまた心地よいAさんの部屋。「今までは牛舎の横にある休憩所を自分の部屋として使っていたので、自室ができて嬉しいです」

寝室への通り道にあるファミリークローゼット。5人家族には嬉しい大容量

Aさん宅は1階に寝室を配置。「娘たちが独立した後は平屋的に暮らせるように配慮しました」と奥さん

木質感が心地よい、LDKへとつながるプライベート用動線

広い土間玄関は公私を振り分ける大切な場所。写真奥は洗濯機や手洗い場が設けられた仕事用動線、手前はプライベート用動線となっている。「子どもたちのランドセルや着替えも集約し、すべてここで完結できるようにしています」と奥さん

牧草地の中に建つAさん宅の外観は、片流れと三角屋根の組み合わせというAさんの希望が叶えられたもの。「自然界の中にある色を使い、周辺環境と調和するように、という澤田さんのアドバイスのもと、緑と土を意識したカラーをセレクトしました」

■建築データ

構造規模/木造(新在来工法)・2階建て
延床面積/160.00㎡(約48坪)
<主な外部仕上げ> 屋根/ガルバリウム鋼板、外壁/スギ板張、建具/玄関ドア:木製ドア、窓:樹脂サッシ
<主な内部仕上げ> 床/ナラフローリング、壁・天井/水性ペイント
<断熱仕様 充填断熱+付加断熱> 基礎/押出法ポリスチレンフォーム(B3)100㎜、壁/高性能グラスウール16㎏100㎜+押出法ポリスチレンフォーム(B3)50㎜、屋根/ブローイング300㎜
<暖房方式> セントラルヒーティング

■工事期間

令和2年3月~10月(約7ヵ月)

Replan北海道vol.132掲載

ページの先頭へ