Vol. 33

趣味を取り込み暮らしを楽しむ
2階リビングの家

旭川市Mさん宅  家族構成/夫婦30代、子ども1人

LDKの壁はアクセントにカラーを取り入れた。「光の加減でグレーに見えたり、ベージュに見えたりするんです」と奥さん。ダイニングの照明は澤田さんが見立てたデンマークの建築家・ラウリッツェンの「ラジオハウス」

 窓から見える豊かな緑や穏やかな公園。視界が開ける2階のリビングは、Mさんご一家が時間を忘れてくつろげるお気に入りの空間です。
 アパート暮らしだったMさんご夫妻は、長男の誕生をきっかけに家づくりを検討。依頼先を探している中で気になっていたのは、友人が新築を依頼したアクト建築工房でした。「家の雰囲気がとても好みだったのはもちろんですが、一番共感できたのは、『丁寧に手直しをしながら、100年以上ずっと暮らせる家づくりをしていきたい』という澤田さんの言葉でした。家はつくって終わりではなく、そこからすべてが始まる、という考えに惹きつけられました」と奥さんは振り返ります。
 せっかくならば、100年以上愛され、住み継がれる住まいにしたい。「漠然と考えていた家づくりのイメージや希望が、澤田さんとの会話で広がっていく感覚がありました」とMさん。こうして、アクト建築工房とMさんご一家の家づくりは始まりました。
 プライバシーと景観を考えて、大きな開口を設けたLDKは2階に配置し、寝室や浴室などのプライベート空間は1階に。冬は雪山、夏はキャンプなど、アウトドア好きなMさんご夫妻の「趣味を暮らしに取り込みたい」という希望を叶える形で、広いバルコニーを設置しました。テントを張ったり、食事を楽しんだり。庭やセカンドリビングとして活用できるMさん自慢の空間です。
 お料理好きの奥さんにとって、キッチンは特別な場所。「大好きなウォールナットでシックにまとめ、造作キッチンには一部に古レンガを採用しました。愛用しているストウブ鍋が似合う雰囲気で、キッチンに立つのが幸せです」と笑顔で語ります。
 無垢床や塗り壁など、自然素材がもたらす心地よさは想像以上。「無垢材の経年変化も今から楽しみです。本物の質感ってやはり気持ちがいいですね。時折手入れをしながら、家族みんなで末長く、のびのびと暮らしを満喫していきたいです」とMさん。暮らすごとに愛着が増す、Mさんご一家の新たな住まいが完成しました。

古レンガとウォールナットの組み合わせが、落ち着いた上質な雰囲気を演出するキッチン。「背の高い私に合わせてつくってくれたキッチンなので使い勝手も抜群です」

バルコニーは耐久性のあるヒバ材を採用。「外とつながるバルコニーはいいリフレッシュスペース。時間を忘れるほど、ゆっくりとくつろげる場所です」と奥さん

市街地でも緑が多い地域にあるMさんご一家の住まい。「2階にリビングがあるので、近隣の視線を気にすることなく、景色を存分に楽しむことができます」とMさん

バックヤードの突き当たりは焙煎室。ネイビー系のカラーで落ち着いた雰囲気に

焙煎の腕を磨いていきたいと語るMさん自慢の焙煎機

アクセントに明るいグリーンを採用した子ども部屋。将来、家族が増えたときを想定し、仕切りを設けて2部屋にすることが可能

玄関ホールの奥に設置した幅広の洗面台。「子どもが大きくなっても家族が同時に身支度ができるほどの広さです」と奥さん

家族全員の衣服をひとまとめにした、1階のウォークインクローゼット

大容量の玄関クロークには、Mさんご一家のアウトドアアイテムが勢ぞろい

南側から見たMさん宅。スギ板とグリーンの組み合わせが印象的。豊かな緑とよく似合う

■建築データ

構造規模/木造(新在来工法)・2階建て
延床面積/138.29㎡(約41坪)
<主な外部仕上げ> 屋根/ガルバリウム鋼板、外壁/ガルバリウム鋼板 一部スギ板張、建具/玄関ドア:木製ドア、窓:樹脂サッシ(Low-E・ペアガラス)
<主な内部仕上げ> 床/ナラフローリング、壁・天井/水性ペイント
<断熱仕様 外張断熱+付加断熱> 基礎/ビーズ法ポリスチレンフォーム(B3)100㎜、壁/高性能グラスウール16㎏100㎜+グラスウールボード32㎏45㎜、屋根/ブローイング300㎜
<暖房方式> セントラルヒーティング

■工事期間

令和2年9月~令和3年4月(約7ヵ月)

Replan北海道vol.134掲載

ページの先頭へ