Vol. 35

平屋感覚で暮らす
美しく開放感あふれる夫婦の住まい

旭川市Kさん宅  家族構成/夫婦30代

屋根なり天井にアルコランプの優美なフォルムが映えるダイニング。ブルーグレーの手すりの奥は、予備室を兼ねたロフト。ダイニングの造作収納は、ロフトへの階段も兼ねる。リズミカルなラインと開閉のバランスが、壁面を楽しく彩る

 「将来のローン返済を考えて、キリの良い30歳でマイホームを建てよう」と考えていたKさん。これからの新築に向けて依頼先を探していた奥さんの目に留まったのが、アクト建築工房の住まいでした。「デザインを大切にした家を建てたい。その希望がここなら叶えられると思いました」と、奥さんは2年前を振り返ります。
 ご夫妻は澤田さんと一緒に神楽岡にエリアを絞って、宅地を探しました。「売地の選択肢が多いと聞いていたとおり、閑静な場所に予算に合う土地を見つけることができました」とKさん。北側に景色が開けた58坪の宅地を購入したご夫妻は早速、新居づくりを開始。何度も話し合いを重ね、大人の2人暮らしにしっくりなじむ、落ち着いたグレーを基調にし、ゆとりあるLDKを備えた平屋的な設計プランを完成させました。「裏動線を用いた家事のしやすい水まわり、すっきりとモノが収まる収納計画、アクト建築工房らしい細やかな配慮が行き届いた、納得のプランができました」。
 2021年4月の着工から5ヵ月を経て、ご夫妻待望の新居が完成。外部の目線が気になる南側は、ハイサイドライトのみを設置。一方、眺めの良い北側には大開口を設けてLDKをレイアウトしました。5m超の屋根なり天井がのびやかな空間をつくりだすダイニングには、美しい弧を描くアルコランプが設置されています。「アクト建築工房で見て、一目ぼれでした。点灯すると一段と雰囲気が良くなって、家で飲むお酒がおいしくなりました」と、Kさんは嬉しそうに話します。
 「素材感を生かした造作キッチンもカッコいいだけじゃなくて、収納計画が完璧で片付けやすいのに驚きました。広々とした空間を見ながら家事ができるのも、気落ちがいいものですね」と、奥さんも笑顔で言葉を継ぎます。眺めの良いリビング・ダイニングには、天井高を生かしたロフトも設えられ、友人を招いたときには客間として活用することができます。美しく機能的なくつろぎ空間は、ご夫妻自慢のもてなしの場となることでしょう。

アクト建築工房の提案で予備室として設けたロフトは約8帖。「これからいろいろな使い方を楽しみながら考えます」とKさん

ナラの無垢床を張ったリビング・ダイニング。開口を抑えた壁側には、テレビ台を兼ねたウォールナット製の造作収納が設えられている

ロフトからLDKを見る。採光窓の下にはウォールナットの造作間接照明が配され、夜にはLDKに繊細な陰影をつくりだす。外からの視線が気になる南側はハイサイドライトのみとし、視界の開けた北側は窓を大きく採ることで、開放感あふれるリビングを実現した

大容量のウォークインクローゼットを備えた寝室。淡い紫のアクセントウォールが、シンプルな空間にやわらかな表情を与える

対面式キッチンのダイニング側にも、グラス類などをしまうのに便利な収納を造作。大理石の天板を浮かせた意匠も軽やか。大理石や割石、タイル、タモ材を用いて造作したキッチンは、棚の高さやゴミ箱の収め方、引き出しの数など、使いやすさを追求

ユーティリティは、キッチンと近接させて家事効率の向上を図った

採光窓を間仕切り壁にも設け、廊下に光が抜けるよう仕上げたトイレ。淡いグレーのペイントと白いタイルの組み合わせも爽やか

玄関ホールに隣接して設えた造作洗面台。ゴミ箱まで収納に組み込み、ホテルライクな仕上げにこだわった

造作のシューズクローゼットを備えた玄関ホール。まっすぐ延びる裏動線は、ユーティリティまでつながっている

玄関ポーチは、建物の中に組み込んですっきりとした印象に仕上げた

片流れ屋根のシャープなラインが目を引くKさん宅。今後、外部空間も有効活用できるよう、外構工事も行う予定

■建築データ

構造規模/木造(新在来工法)・2階建て
延床面積/94.30㎡(約28坪)
<主な外部仕上げ> 屋根/アスファルトシングル、外壁/ガルバリウム鋼板 一部スギ板張、建具/玄関ドア:木製ドア、窓:樹脂サッシ(Low-E)
<主な内部仕上げ> 床/ナラフローリング、壁・天井/水性ペイント
<断熱仕様 充填断熱+付加断熱> 基礎/押出法ポリスチレンフォーム(B3)100㎜、壁/高性能グラスウール16㎏100㎜+グラスウールボード32㎏45㎜、天井/ブローイング300㎜
<暖房方式> セントラルヒーティング

■工事期間

令和3年4月~9月(約5ヵ月)

Replan北海道vol.136掲載

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