Vol. 38

徹底したゾーニングと
家族一人ひとりが快適なパーソナルスペースを持つ家

士別市Tさん宅  家族構成/夫婦30代、子ども3人

2階ホールから見下ろしたリビングの様子。ぐるりとリビングを囲うように設置された間接照明もアクセントのひとつ

農業を営むTさんご一家。結婚当初から、ご実家を二世帯住宅にリノベーションして、1LDKの広さで住まわれていました。
子どもたちの成長とともに、窮屈な思いをさせず、仕事とプライベート空間がしっかりと分けられる一戸建ての家づくりを意識するように。しかし、なかなか自分たちの思うような設計プランには出会えずにいたところ、子どもの同級生のご家族が新築をされ、見学に訪れると、理想に近い間取りにご夫妻は一目ぼれ。その住まいを建てたのがアクト建築工房でした。
家づくりにあたり、ご夫妻がこだわったのは「空間」です。家族それぞれが十分なスペースを確保できること、役割の異なる空間たちがしっかりとゾーニングできることを特に重視していました。また、快適な生活動線と大容量の収納スペース、加えて無垢材のフローリングなど、心地よい素材を取り入れることも外せませんでした。
妥協せず完成したのは、3人の子どもたちの個室のほか、キッズリビング、ピアノルームにパパルーム、オフィス機能も備えた住まい。敷地内にあった古い建物の古材も活用し、Tさんご家族ならではのつくりになりました。そして、乾燥機の上の作業棚や洗面台のダストボックスなど、奥さんの家事行動を観察して、Tさんが取り入れたアイデアが随所に取り入れられています。
農作業の繁忙期に引っ越しを完了したご家族は、これからゆっくりと新しい暮らしを味わっていきます。

高い吹き抜けから光が降り注ぐリビング。和室は小上がりになっていて段差部分には収納が仕込まれている

アッシュ系で仕上げた造作キッチンからは、ピアノルームの様子をそっとうかがうこともできる

ウォールナットの造作テーブルにYチェアとアントチェアを合わせた上質なダイニング。ペンダントライトはA110とCIRQUEを採用

ダイニングテーブルの天井部分は折り上げ天井にし、素材も変えて、ペンダントライトをより一層美しく吊るすためのデザインに

リビングとユーティリティをつなぐ廊下は壁一面が収納になっている

広々とした造作の洗面台。カウンターと引き出し部分にダストボックスを収納し使い勝手よく工夫した

1階のトイレは石材のカウンターにベッセルタイプの洗面ボウル、サブウェイタイルで質感の良い空間に

ご夫妻の寝室は1階に。落ち着いたバイオレットのアクセントウォールと針葉樹合板の床材で雰囲気よく仕上げ、大容量のウォークインクローゼットも備えた

2階ホールは約8帖あり、子どもたちが自由な使い方をするキッズリビングになっている

多趣味なTさん専用の「パパルーム」は、濃紺の壁にHALO COUNT HENRYのソファを置いて落ち着く空間に

斜め天井がアクセントになっている子ども部屋。ほかの子ども部屋も内装は落ち着きのあるアースカラーで統一した

ワークスペース部分の室内壁には外壁で使用したスギ板を施工し、インパクトのある空間にデザインした

縦長に9.3帖の広さがあるバックヤードは、農作業関連のものから家族全員のアウターやシューズ、アウトドア用品など外出に関するすべてのものがひとまとまりになっている

ドアもアクセントカラーのバイオレットに。玄関ポーチには旧家から引き継いだ古材を使用

東側から見る外観。エントランスとバックエントランスが並んで配置され機能的なつくり

■建築データ

構造規模/木造(新在来工法)・2階建て
延床面積/213.30㎡(約64坪)
<主な外部仕上げ> 屋根/ガルバリウム鋼板、外壁/ガルバリウム鋼板 一部スギ板張・石材、建具/玄関ドア:木製ドア、窓:樹脂サッシ(トリプルガラス) 一部木製サッシ
<主な内部仕上げ> 床/ナラフローリング、壁・天井/水性ペイント
<断熱仕様 充填断熱+付加断熱> 基礎/押出法ポリスチレンフォーム(B3)100㎜、壁/高性能グラスウール16㎏100㎜+押出法ポリスチレンフォーム(B3)50㎜、天井/ブローイング400㎜
<暖房方式> セントラルヒーティング

■工事期間

令和3年10月〜令和4年9月(約12ヵ月)

Replan北海道vol.139掲載

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