Vol. 39

フィンランドを意識した素材や色づかい。
自由設計の北欧テイストの住まい

旭川市Nさん宅  家族構成/夫婦20代、子ども2人

レンガや無垢材、ルイスポールセンの照明など、厳選した素材やアイテムが顔をそろえる自慢のダイニング・キッチン。「15年ほど経つと経年変化で古いレンガの表情が出てきて、ヨーロッパの街で見られる古い外壁に似た風合いが楽しめます」と澤田さん

転職を機に千歳から奥さんの生まれ育った旭川に引っ越したNさんご一家。次女を授かったことで、家づくりに向けて本格的に動き始めました。
大のムーミン好きだという奥さん。新居は木を使った北欧テイストの住まいにしたいという、明確な理想を抱いていました。住宅展示場を中心に何社か見て回ったものの、「既製品が多く、設計の自由度も低かった」と決めかねていたところに出会ったのがアクト建築工房です。
「澤田さんは母の知人。まずは話を聞いてみようという軽い気持ちからでした」と奥さん。しかしいざふたを開けてみると無垢材をはじめとした自然素材を扱った家づくりや、北欧を感じるデザインや暮らしに寄り添った自由なプランニングなど、アクト建築工房は奥さんの理想にぴったり。「私がムーミン好きだと聞いて、ムーミンの故郷のフィンランドを意識した空間にしたいですね、と言ってくれたのが嬉しくて。北欧に精通した澤田さんになら、安心してお任せできると思いました」と、好みを共有できる喜びを感じ、同社との家づくりを決めました。
2022年10月に完成したNさんご家族の新居。白を基調にした1階のLDKは仕切りのないひとつながりの空間で、白く塗装した古いレンガや無垢床など、異なる素材が心地よく同居しています。
子ども部屋や書斎のある2階、トイレやユーティリティなどは、それぞれ壁の色を変えて多色に。キッチンや階段下収納の出入り口はアール型を採用して、空間にやわらかく優しい印象を与えています。
玄関からリビングまで続く土間、キッチンから水まわりを直線で結ぶ家事動線、2階の大容量のファミリークローゼットなど、暮らしの効率を上げる機能性も抜群。室内の随所には奥さんお気に入りのムーミングッズがさりげなく飾られていて、フィンランドを意識した空間に仕上がりました。
奥さんがアクト建築工房との家づくりで改めて実感したのは「本物の大切さ」。「量産型で消費されていくものよりも、素材も家具も長く大切に使い込み、経年変化を楽しむ方がずっと豊かなことですよね」とにっこり。お気に入りに囲まれた新居での暮らしを、家族みんなでのびやかに楽しんでいます。

個性あふれるデザインのベンチと将来的にリビング学習を想定した広いダイニングテーブルは造作仕様。テーブルの脚はアイアンで、空間になじむように白く塗装している。天板はキッチンの腰壁と同じくタモ材を採用し、木の温もりが心地よい空間へと仕上げた

吹き抜けと土間、大開口が相まって開放感あふれるリビング。土間には、アクト建築工房の提案でテラコッタタイルをアクセントに取り入れた

蛇口のオレンジがアクセントになった洗面台は奥さんのお気に入り。天板はモザイク石、壁はサブウェイタイルをあしらった

トイレはイエローと洗面台と同じサブウェイタイルの組み合わせに。トイレットペーパーホルダーは真鍮製を採用した

キッチンとブルーにペイントしたユーティリティは洗面台を介して直線で結ばれている。アール型の出入り口がやわらかな雰囲気を演出

ブルーの手すりと船舶照明がアクセントになっている2階の廊下

家族の衣服を集約できる2階のファミリークローゼットは一部屋分の広さ

アウターや靴、傘など、出かける際の身支度をすべて整えられる広い玄関ホール。オープンな造作収納側の床は石を敷いて、汚れを拭き取りやすいように配慮している

外壁には、奥さんの大好きなブルーを採用。玄関ポーチには2つの扉があり、正面の扉が物置、左側が室内への扉となっている

■建築データ

構造規模/木造(新在来工法)・2階建て
延床面積/122.00㎡(約36坪)
<主な外部仕上げ> 屋根/ガルバリウム鋼板、外壁/ガルバリウム鋼板 一部スギ板張、建具/玄関ドア:木製ドア、窓:樹脂サッシ(Low-E・ペアガラス)
<主な内部仕上げ> 床/ナラフローリング、壁・天井/水性ペイント
<断熱仕様 充填断熱+付加断熱> 基礎/押出法ポリスチレンフォーム(B3)100㎜、壁/高性能グラスウール16㎏100㎜+押出法ポリスチレンフォーム(B3)50㎜、天井/ブローイング300㎜
<暖房方式> セントラルヒーティング

■工事期間

令和4年4月~10月(約7ヵ月)

Replan北海道vol.140掲載

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