Vol. 40

平屋的な暮らしを叶える
機能的な間取りと素材感を備えた住まい

旭川市Hさん宅  家族構成/夫婦30代、子ども1人

リビング・ダイニングは折り上げ天井とし、ラインに沿って間接照明を設置。2.5m幅の広くて長い造作ダイニングテーブルには、ヒア・カムズ・ザ・サンのライトを合わせた

結婚当初から持ち家に憧れがあったというHさん。土地探しの段階からほかの住宅メーカーを含め、さまざまな方面で情報収集をしていました。条件に合う土地が見つかったものの、提案されるプランはどれもしっくり来ず。効率のいい生活を考えて平屋的な間取りを希望されていたお二人ですが、心地よいと感じる暮らしのために何が必要なのかは漠然としていました。
迷う日々の中で、アクト建築工房で新築した知人宅を訪れたとき、直感的に「ここなら求めていた家づくりができる」と思ったご夫妻。早速同社との打ち合わせを開始し、間もなく提案されたファーストプランは、お二人が考えていた理想がすべて叶えられたものでした。「独創的なのに機能的。それまで何社に相談しても希望の間取りに出会えなかったのに、感激しました」と、Hさんは振り返ります。
完成した新居は、玄関付近にまとめた水まわり、寝室の位置、広いリビング、回り階段と、希望がすべて叶っている間取りです。また、3帖ほどの広さが確保されたシューズクロークやパントリーなどの造作収納が充実。共働き夫婦の家事負担を軽減してくれる配慮が随所に施されています。
Hさん宅が立つ場所は市街地にあり、人の往来も多い住宅街なので、外部の視線や音を遮るため、道路側の開口が最小限に抑えられています。リビングや寝室を南西側に配置することで、同時にプライバシーも確保することができました。
そして、広くて落ち着くリビングにしたいと考えていたご夫妻の望みどおり、玄関から廊下に沿って機能的に配置された洗面スペースやユーティリティなどの空間を抜けると、高天井のリビングが広がります。視界の開ける南側に設けた大開口が明るく、さらに開放感が増すつくりです。まだ子どもが幼く気が抜けない育児と、仕事や家事の両立の中ですが、奥さんは子どもが寝た後にリビングへ戻ると「外出しなくても心が解放されることがあるんだ」と感じるそうです。
2階にパパルームとして設けられた個室仕様のワークスペースでは、Hさんが趣味に没頭できます。共働き子育て世帯の暮らしやすさと心地よい家族の距離感が両立され、ふんだんに使われた自然素材は歳月を重ねながら味わいを増していく、そんな住まいが完成しました。

キッチン背面カウンターにはブラウン系の大理石とグレーミックスの石材をアクセントに使用。キッチンの横には大容量のパントリーがあり、まとめ買いが多い共働き家庭に重宝する

LDKから見える小部屋は寝室の一部。今はキッズスペースにしているが多目的に使える

ダイニング部分はさらに天井を折り上げ、タモ材をアクセントにしてダイニングテーブルとリンクさせた

リビングから寝室までの動線は玄関ホールにもつながる回遊動線になっている

寝室の壁は薄いグリーンの水性ペイント仕上げ。隣には広いウォークインクローゼットを備えた

造作の洗面化粧台はワイドサイズ。アンダーカウンター式の洗面ボウルと天然石の質感ですっきりと美しく

2階には在宅勤務に対応でき、趣味のゲームも楽しめる個室のワークスペースを確保

2階ホールは将来的に間仕切って子ども部屋にもできる。建具はタモ枠材に合わせて同材で造作しており、美しく統一感がある

玄関ホール横には3帖の広さのシューズクロークを設けて、外出時に使う物をすべて収納している

玄関ポーチは黒の天然石と赤いドアのコントラストで北欧風に。斜めのデザインが奥行きを感じさせる

アースカラーで優しい雰囲気の外観は、スギ板張りとガルバリウム鋼板の組み合わせ

■建築データ

構造規模/木造(新在来工法)・2階建て
延床面積/130.41㎡(約39坪)
<主な外部仕上げ> 屋根/ガルバリウム鋼板、外壁/ガルバリウム鋼板 一部スギ板張、建具/玄関ドア:木製ドア、窓:樹脂サッシ(トリプルガラス)
<主な内部仕上げ> 床/ナラフローリング、壁・天井/水性ペイント
<断熱仕様 充填断熱+付加断熱> 基礎/押出法ポリスチレンフォーム(B3)100㎜、壁/高性能グラスウール16㎏100㎜+押出法ポリスチレンフォーム(B3)50㎜、屋根/ブローイング500㎜
<暖房方式> ガスセントラルヒーティング

■工事期間

令和4年5月〜令和5年2月(約10ヵ月)

Replan北海道vol.141掲載

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