Vol. 5

バランスのとれた優れた上質感が、普段の生活にフィット
視界開ける美瑛川沿いで、
2階にリビングがある暮らし

旭川市Sさん宅  家族構成/夫婦30代、子ども1人

オープンなLDK。キッチンが片付く収納のおかげで、スタイリッシュに暮らせる

 ご実家の近くで土地を探されていたSさん。タイミングよく美瑛川に隣接する場所を取得することができ、家づくりは地元でも評判のアクト建築工房へ依頼しました。この土地の最大の魅力は川方向に向かって大きく視界が開けているところにあり、2階リビングを生活の中心とし、ピクチャービューを楽しむ暮らしを選択。まるでリビングから川へつながっていくような大きなバルコニーを設けたことも大正解で、光、開放感、自然の景観が手に取るように伝わってきます。
 素材選びにおいても細やかな配慮がなされ、フェイクを排除する考え方を貫きました。本物にこだわり、かといって豪華さを見せつけるような仕上がりにならないよう厳選。例えば水まわりの大理石はマットで落ち着いたタイプを選んでいます。リビングから階段への動線途中にも、水まわりと同じ大理石をバランス良く使うことで、その素材だけが持ちうる上質な持ち味が、美しい空間づくりに寄与。ナラのフローリングなど室内で使われている天然の木との相性を見計らい、ウォールナットを使用したTV台などの造作家具や無垢材による建具が、くつろぎの時間を提案しています。
 効率的な家事動線や冷蔵庫のようなあまり見せたくない生活必需品を隠す工夫は、アクト建築工房の得意とするところ。今回はバックヤードを充実させ、キッチン横の食品庫がモノの逃げ場になっています。
 住まい手の日々の生活に大きな影響を与える場所にこそ、プロ目線による生活スタイルの提案が光っています。

美瑛川に向かった大きな開口部と、その延長に広いバルコニー、さらに3メートル50センチの天井高にしたことでゆったりとした空間が実現した2階リビング

1階ホールから2階リビングへつながっている階段。上部から光を取り入れている

キッチンからは土手の緑や、春の桜並木、夏には花火大会が楽しめる。季節の営みが生活のエッセンス

目立ちすぎることなく、さりげなく一部大理石を使ったI型のキッチン。天板は1枚のステンレスで仕上げた

ドアの奥は和室。リビングから直線で行き来しやすい位置にある。子ども連れのお客さんが、子どもの昼寝に利用でき便利

階段を上がっていくと、キッチン上の収納に便利なロフトへとつながる

モルタル塗りに道産スギを張った外観。エントランスには道路側からのダイレクトな視線を外す格子を

■建築データ

構造規模/木造(新在来工法)・2階建て
延床面積/169.40㎡(約51坪)
<主な外部仕上げ> 屋根/長尺カラートタン、外壁/モルタル塗壁 一部スギ板張、建具/玄関ドア:木製断熱ドア、窓:木製サッシ・樹脂サッシ
<主な内部仕上げ> 床/ナラフローリング、壁・天井/水性ペイント
<断熱仕様 充填断熱+付加断熱> 基礎/ポリスチレンフォーム(B3)100㎜、 壁/グラスウールサン16kg100㎜+グラスウールボード32kg45㎜、天井/ブローイング300㎜
<暖房方式> ガスセントラルヒーティング

■工事期間

平成25年9月〜平成26年4月(約7ヵ月)

Replan北海道vol.105掲載

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